映画レビュー:「SOUL POWER」2008年アメリカ

「SOUL POWER」
2008年 アメリカ
監督:ジェフリー・レヴィ・ヒント

1974年、アメリカの黒人ミュージシャンとアフリカのミュージシャンが共演する音楽祭が企画された。
オーガナイザーはドン・キングに働きかけ、ザイールはキャンサシャを舞台に音楽祭と、ジョージ・フォアマンとモハメド・アリとのタイトルマッチの同時開催が実現した。
アメリカからは、ジェームス・ブラウン、ザ・スピナーズ、B.B.キング、ミリアム・マケバ、ビル・ウィザーズ、ザ・クルセイダーズ、シスター・スレッジなど、そうそうたるメンツの出演が決定した。
本作はその記録映画。

最大級のタイトルマッチと、最大級の音楽祭、そしてその記録映画。ビッグプロジェクトになるはずであったが、直前にジョージ・フォアマンが眼を負傷、試合は延期になってしまう。
しかし既に機材の輸送、ミュージシャンの契約、会場のセッティングの進んでいた音楽祭を中止するわけにはいかず、タイトルマッチと音楽祭は別々に開催されることになった。
音楽祭は興行的に失敗し、フィルムはお蔵入り、34年の時を経てようやく日の目を見ることになった。
困難な運営に四苦八苦するスタッフ達、呑気に旅を楽しむミュージシャン達、現地の陽気な人々、声高に黒人のアイデンティティを叫ぶモハメド・アリ、そしてソウルフルなパフォーマンス、それらが渾然一体となって次々に映し出される。

音楽を前面に押し出すのでは無く、プロジェクトの記録映画としての性格が強い。
音楽映画としてもドキュメンタリー映画としても少しパンチに欠けるが、リングの外でのモハメド・アリが多く記録されており、興味の持てる内容。
映画本編に収録されなかった演奏や、舞台裏のやり取りが特典映像として収録されており、そちらも楽しめる。

音楽祭から遅れること約1ヶ月半、モハメド・アリはジョージ・フォアマンからタイトルを奪還し、この試合は「キャンサシャの奇跡」として歴史に刻まれることとなった。
もしもこのタイトルマッチと音楽祭が、企画当初の予定通り同時に開催されていれば、登場するミュージシャン達もまた人々の記憶により強く残っていたのではないか、と思うと少し残念である。

「Soul Power」HD予告編 「Soul Power」HD Trailer

 

映画『ソウル・パワー』公式サイト – UPLINK
http://www.uplink.co.jp/soulpower/

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