心の中の色を描くには?RAW現像と記憶色

心の中に印象として残っている色や光を、RAW現像を使って表現してみようとしたことに関する雑感です。

日本画の大家であるところの横山大観は、岡倉天心が初代校長であった東京美術学校の第1期生を首席で卒業したあと京都に渡り、京都の神社仏閣の美術作品を模写して回ったそうで。
そのとき、横山大観は師である岡倉天心の教えに従い、美術作品を2、3日ただただ眺め、その後に元の美術作品を見ずに模写した、つまり記憶に残ったものを描いたとのことです。

この話を聞いて、これはRAWで撮って家に帰ってからRAW現像するのに似ているなぁ、と思って、夕焼け空を心に留めて、それで心の中に残った色を描くことを目指してRAW現像してみました。

しかしこれが大変難しい。

私の記憶の中では、画像上部の空の色はもっと紫っぽく、雲はもっと白く浮き出してくるようで、画像下部の太陽とその周りの空の色はもっとオレンジっぽかったと思うのです。

LightroomでRAW現像をする人ならわかると思うのですが、HSLのスライダーをあまりジグザグにするとグラデーションのつながりが変になってしまいます。

この写真でも、画像の中段あたり、青からオレンジへのグラデーションの中に、緑っぽい色が出てしまっています。

画像上段をもっと紫に、それでいて画像下段のオレンジと綺麗なグレデーションを…
というのは、LightroomのRAW現像だけでは難しいように思います。
Photoshopでレイヤーを分ければできるかもしれません。

この辺りの色の自由度というのは、絵を描くようには上手くいかないようです。

ちなみに、Lightroomの初期設定で生成されたjpeg画像はこちら。

FUJIFILM X-H1のボディ内で生成されたjpeg画像はこちら。

ボディ内現像の方は、フィルムシミュレーションがプロネガスタンダード、ハイライト-1、シャドウ+2、カラー-2の設定です。

これらと比べると、最初の画像はかなり派手に現像したのがわかると思います。

ただ、このように描きたいというものが心の中にあって、先に述べたようにそれを実現しようとすると色が破綻してしまうとか、不自然なノイズが出てしまうということは起こり得ます。
最初の画像も、画面中段の変な緑色が出ないように、あれこれ調整しているうちに、最初に描こうと思っていた色からはかけ離れてしまっていたのかもしれません。

先に横山大観の話をしましたが、日本画というのは鉱物などを砕いて作った顔料を使うので、ある色とある色を混ぜた時に、粒子の大きさやその他の要因で、いわゆる混ざった色ができないそうです。
西洋絵画が様々な色を発明して色鮮やかになっていったのと対象に、日本画では色の表現に物理的な限界があったそうで。

そこで明治以降の日本画家たちは西洋の画材を取り入れたり、その他にも顔料を焼いて発色を変えたりして色の表現の拡充に務めたそうです。

西洋絵画の方では、例えば印象派と呼ばれる人たちは何を描こうとしていたかというと、ものの輪郭ではなく光を描こうとした、と解されるそうです。

そう考えると、西洋の風景写真家の写真は、確かに色もコントラストも非常に豊かでドラマティックです。

では日本的な、東洋的な美的感覚による写真、というのはどうゆうものになるのでしょう?
幽幻だとか侘び寂びという感覚を、写真で表現することができるでしょうか?

それはそれでまた面白そうなテーマです。

乱筆失礼しました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください